3. 必要な工具と使い方
工具を「持ってるけど使ったことない」状態でも組み立てられるよう、それぞれの 役割と使い方 を解説します。
🧰 工具一覧と用途マップ
mindmap
root((Open Duck<br>必要工具))
既存
ハンダゴテ
精密ドライバー
ニッパー
新規追加 ★★★
ヒートインサート用コテ先
マルチメータ
ワイヤストリッパー
ヒートシュリンクチューブ
糸ハンダ
新規追加 ★★
フラックス
ESDピンセット
六角レンチ
ジャンパー線
新規追加 ★
ハンダ吸取線
ライター🔧 既存工具のチェック
ハンダゴテ
確認ポイント
- 温度調節機能はありますか? (なくてもOK、ただし注意が必要)
- コテ先は交換できるタイプですか? (M3インサート用ビットが必要)
- ワット数は40W以上ありますか? (30W以下だと熱量不足)
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 温調あり (例: HAKKO FX-600) | ✅ そのままOK。ハンダ付け時350℃、インサート溶着時260℃ |
| 温調なし (一般的なペンシル型) | ⚠️ インサート時の溶けすぎ注意。30秒以内で挿入完了 |
| 30W未満の小型ゴテ | ❌ XT30コネクタ等の太い線が温まらない。買い替え推奨 |
精密ドライバー
このプロジェクトで使うのは プラス(+) 2番 が中心。Phillips #1 / #2 に対応するものがあればOK。
ニッパー
ケーブルカット用。電子工作用の小型ニッパー (例: HOZAN N-35) がベスト。
🆕 新規購入工具の使い方
E1: goot PX-28T-NM3 (M3ヒートインサート用コテ先)
3Dプリントしたパーツの穴に、真鍮ナットを熱で押し込む ための専用コテ先。 通常のコテ先だとナットがぐらつくが、これを使うとピッタリ収まる。

使い方:
- 既存ハンダゴテのコテ先を外す (冷えた状態で)
- PX-28T-NM3を差し込む
- 通電して260℃前後まで加熱
- 真鍮ナットをコテ先の先端に置く
- 樹脂パーツの穴にナットを 垂直に 押し込む (約20秒)
- ナットが面一になったらコテを離す
失敗パターン
- 斜めに入れる → ナットが樹脂を押し広げて穴が変形
- 熱すぎる → 樹脂が溶けすぎてナットが沈み込みすぎる
- 冷たすぎる → ナットが入らず、力で押し込んで割る
詳細は 6. ヒートインサート溶着のコツ を参照。
E2: デジタルマルチメータ (テスター)
電圧・電流・抵抗を測る道具。18650電池の電圧合わせ に必須。
なぜ必要?
18650電池を2本直列に繋ぐ前に、両方の電圧が同じであること を確認しないと、組み合わせた直後に過電流が流れて発熱・発火の危険があります。
基本操作:
- ダイヤルを DCV (直流電圧) の「20V」レンジに合わせる
- 赤プローブを電池の +(プラス)、黒プローブを -(マイナス) に当てる
- 画面に表示される電圧 (例: 4.18V) を確認
- 2本のセルが ±0.05V 以内 で揃っていればOK
┌─[赤プローブ]──┐
│ [+]
│ 電池 18650
│ [-]
└─[黒プローブ]──┘
画面: 4.18V ← この値を見るその他、配線の断線チェックには「導通モード (🔊)」を使う。線の両端にプローブを当てて「ピー」と鳴れば繋がっている。
E3: VESSEL 3500E-2 自動ワイヤーストリッパー
電線の 被覆を剥く 道具。Open Duck Mini v2 では何十本もの配線を切る・剥くので必須。

使い方:
- 電線を口に差し込む
- ハンドルを握る → 自動で被覆だけスポッと剥ける
- 内部の銅線 (撚り線) はそのまま残る
[被覆あり]━━━━━━━ 挟む! ━━━━━━[被覆なし 銅線]
↑ ↑
ストリッパーがここを 被覆を剥がした後の
切って引き抜く むき出し銅線剥く長さは 3〜5mm が標準。あまり長くするとショートのリスク。
E4: ヒートシュリンクチューブ
別名「熱収縮チューブ」。被覆として 配線の絶縁 に使う。
STEP 1: 配線を通す
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓ ← チューブ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
STEP 2: ハンダ付け箇所にスライド
━━━━━━━ ※ハンダ箇所※ ━━━━━━━
▓▓▓▓▓▓▓
STEP 3: ライターで加熱
━━━━━━━ [⚡縮んだチューブ] ━━━━━━━熱しすぎ注意
チューブは数秒で縮みます。ライターの炎は当てすぎないこと。
E5-E6: 糸ハンダ・フラックス
糸ハンダ: 銀色の細い線。ハンダゴテで溶かして金属を接合する。 フラックス: 透明〜薄黄色のペースト。ハンダの「のり」を良くする魔法の液体。
5. ハンダゴテ入門 で詳しく解説します。
E7: ESDピンセット
「ESD」は静電気対策の意味。電子部品を扱うときに、静電気で部品を壊さない ように使う。
このプロジェクトでの主な用途:
- M3ナットをヒートインサート時に保持する
- LED・小さなネジを摘む
- 細いケーブルを引き回す
直 (まっすぐ) と曲 (曲がった先端) の2本セットがおすすめ。
E8: 六角レンチ M3セット
「アーレンキー」とも呼ばれる L字型の工具。 精密ドライバーだと滑ってしまう キャップネジ (六角穴付きボルト) を回すために使う。
このプロジェクトで主に使うのは:
- 2.5mm (M3ボルト用) ← これがメイン
- 2.0mm (M2.5用、保険)
- 3.0mm (M4用、保険)
E9: ジャンパーワイヤー (オスメス 40本)
メス側 (穴) と オス側 (ピン) が両端にある配線。 Raspberry Piの GPIO ピン ↔ センサーモジュール の配線に使う。
[Raspberry Pi] [BNO055センサー]
┌───────┐ ┌───────┐
│GPIO 2 ●─────● オス────● メス ●─SDA│
│ │ │ │
└───────┘ └───────┘色違いを使うと配線間違いが減る。一般的な使い分け:
- 🔴 赤 = +電源 (3.3V または 5V)
- ⚫ 黒 = GND (グランド)
- 🟡 黄 = 信号線 (SCL等)
- 🔵 青 = 信号線 (SDA等)
E10: ハンダ吸取線
「ソルダーウィック」とも。ハンダ付けに失敗したとき に、銅の編組線でハンダを吸い取る。
失敗したパッド (ハンダ過剰)
↓
┌──[●●●ハンダ●●●]──┐
│ │
↓ ↓
吸取線を上に置く → コテで上から押す
↓
[● ハンダ吸われた ●] ← きれいに✅ 工具チェックリスト
発注前に最終確認:
- [ ] ハンダゴテ (40W以上、温調機能あれば理想) ← 既存
- [ ] 精密ドライバー +1 / +2 ← 既存
- [ ] ニッパー (電子工作用) ← 既存
- [ ] PX-28T-NM3 ヒートインサート用コテ先 (★★★)
- [ ] デジタルマルチメータ (★★★)
- [ ] 自動ワイヤーストリッパー (★★★)
- [ ] ヒートシュリンクチューブ詰め合わせ (★★★)
- [ ] 糸ハンダ φ0.6mm (★★★)
- [ ] フラックス (★★)
- [ ] ESDピンセット (★★)
- [ ] 六角レンチ M3用セット (★★)
- [ ] ジャンパーワイヤー オスメス 40本 (★★)
- [ ] ハンダ吸取線 (★)
- [ ] ライター (★、コンビニで¥200程度)
✅ 次のステップ
道具が揃ったら 4. 3Dプリントを発注する へ。